オレンジ色の恋 ~切なさは誰の物?~
「じゃあ、やりなおしだな」

「やっぱりがっつり食べるの?」

笑いながら言った私に、綾斗は「もちろん!」と腕を上げると、綺麗な夕日に綾斗の濃い茶色の髪がキラキラと光った。

あっ、写真撮りたい……。
この表情も……。

そんなことができる訳もなく、私はそんな綾斗の後姿をジッと見つめた。

「なあ、やっぱりハンバーガー食いたくない?それとも牛丼とか?」
そんな私の気持ちなんて知る訳もない綾斗は、ずっと食べるものを考えていたみたいで、おかしくなった。

「嫌だよ。牛丼は。夕ご飯食べられないよ」

女の子に牛丼って……。
半ば呆れながら言った私に、

「まあ、結花一応女だもんな。牛丼屋はないな」
クスクスと笑って言った綾斗。

「一応って……どうせ私は可愛くないですよ」

このあいだの女の子たちを思い出して、私は少し口調がきつくなっていたことに気づいていなかった。


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