オレンジ色の恋 ~切なさは誰の物?~
「誰もそんな事言ってないだろ?」
少し怒ったように言った綾斗に、ビクッとした。

「あっ……悪い」
すぐに謝ってきた綾斗に、私は首をフルフルと振ってわざとらしく声を出した。

「あっ、ごめんごめん!変な事言って。いいのいいの。そんな分かり切った事言ってごめん!」

これ以上気まずくなりたくない!
私が変なコンプレックス持つから悪いんだよ!

私のバカ!

「そうじゃ……」

何か言おうとした綾斗の言葉を、わざと遮ると、

「私もポテト食べたい!綾斗早く行こ」

小走りで走り、綾斗を振り返ると、困ったような綾斗の瞳とぶつかった。

どうしてこうなっちゃうの?

綾斗と一緒に帰れてうれしかっただけなのに……。


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