オレンジ色の恋 ~切なさは誰の物?~
「すごいよな。この高校」
なぜかそのまま部室を出て、隣を歩く彼をチラリとみた。
「なにが?」
「設備?施設っていうの?」
その言葉に意味を理解して、私もうんうんと頷いた。
「ああ、温水プールのこと?」
「それもそうだし、学食もオシャレで綺麗だし公立の中学からきた俺としては驚きの連続だよ」
「榊原は中学からだろ?」
いきなり名前を呼ばれて、驚いて彼の顔を見上げてしまった私に、彼は不思議そうな表情を浮かべた。
「え?榊原であってるよな?」
「ああ、うん。覚えてくれたんだって」
私のその返事に、彼はあははと声を上げて笑うと、
「覚えるよ。榊原結花だろ?結花って呼んでもいいけどな」
まるでからかうように、言った彼に、私も元々の負けず嫌いが出てしまった。
「私だって覚えてるよ。吉田でしょ?吉田綾斗。私も綾斗って呼んであげてもいいけど」
フンと顔を背けて言った私の頭をぐちゃぐちゃと混ぜると、
「いいよ。結花。綾斗ってよんで」
シャッターを押したときの笑顔で、私に言った彼の笑顔に今度こそ私は捕まった気がした。
なぜかそのまま部室を出て、隣を歩く彼をチラリとみた。
「なにが?」
「設備?施設っていうの?」
その言葉に意味を理解して、私もうんうんと頷いた。
「ああ、温水プールのこと?」
「それもそうだし、学食もオシャレで綺麗だし公立の中学からきた俺としては驚きの連続だよ」
「榊原は中学からだろ?」
いきなり名前を呼ばれて、驚いて彼の顔を見上げてしまった私に、彼は不思議そうな表情を浮かべた。
「え?榊原であってるよな?」
「ああ、うん。覚えてくれたんだって」
私のその返事に、彼はあははと声を上げて笑うと、
「覚えるよ。榊原結花だろ?結花って呼んでもいいけどな」
まるでからかうように、言った彼に、私も元々の負けず嫌いが出てしまった。
「私だって覚えてるよ。吉田でしょ?吉田綾斗。私も綾斗って呼んであげてもいいけど」
フンと顔を背けて言った私の頭をぐちゃぐちゃと混ぜると、
「いいよ。結花。綾斗ってよんで」
シャッターを押したときの笑顔で、私に言った彼の笑顔に今度こそ私は捕まった気がした。