最低だとわかっていても…
車は実家に着いた。
知らない車も止まっている。
嫌な予感がする…もしかしてあの人の車?

「美桜おかえり。慧(けい)さんもきてるわよ」

お母さんだ。
慧さんとは両親が私との結婚を勧めて来る名古屋 慧さんのこと。
やっぱり嫌な予感は当たるのね…

「そんなとこでぼーっとしてないで早く入りなさい」

「はい」

「美桜話って何?」

両親が聞いてくる。

「あのね、私、付き合ってる人がいるの。その人と卒業したら結婚したいと思ってるの」

「ダメに決まってるじゃない。あなたには慧さんがいるでしょ。何のために専門学校行かしてあげたと思ってるの?慧さんの病院で働くためでしょ」

「そうだけど…」

「はい、この話はおしまい。あとは慧さんと2人でたまには話しなさい」

お母さんでこれだったらお父さんはもっと聞いてくれないだろう。
真吾くん…私、どうしたらいい?
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