最低だとわかっていても…
翌日、一緒にドレスを選ぶ約束を取り付けた。
顔が腫れている。泣いたのだろうか。
そんなに嫌なのか?
俺に堕ちない女はいないっていうのに。

ウエディングサロンに着いても美桜ちゃんの顔は浮かない。

「美桜ちゃん、ドレス好きなの選んで」

「どれでもいいです」

埒があかないので、スタッフに彼女に似合うドレスを見繕ってもらう。
まるで着せ替え人形だ。
その中で一番似合っていたパフスリーブのAラインのウエディングドレスに決めた。

「美桜ちゃんまだ時間ある?」

今は夜の20時。
一応確認のため聞いてみる。

「無いです。帰って勉強しないといけないので」

「そっか。じゃあ家まで送るよ」

腕を腰に回し、車までエスコートする。
美桜ちゃんは嫌そうにみえるがされるがままだ。
あからさまに嫌がると実家がどうなるか分かってるんだろうな。
俺はそれをいいことに美桜ちゃんにキスをした。
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