最低だとわかっていても…
プルルルル

噂をすればお母さんからだ。

「もしもし、美桜県立総合病院どうだったの?
やっぱりね。あなたは名古屋総合病院にしか就職できないのよ。あちらの院長は今すぐにでもって言ってくださってるから今すぐ行きなさい」

「そんな!お母さんっ!私の話も…」

ガチャツーツー

途中で切られちゃった。
名古屋総合病院…慧さんの実家。
今は行きたくない。
ベッドにうずくまっていると、慧さんから電話がかかってきた。

「もしもし美桜ちゃん、聞いたよ。県立総合病院。残念だったね。
でも何でウチに来ないの?約束だよね?
早く来てよ。待ってるから」

「はい…」

慧さんにそう言われると行かないといけない。
仕方なくダラダラと用意して名古屋総合病院まで向かう。
実家の近くだから電車で1時間ちょっと。
なんだか泣きすぎて体がだるい。
少し着くまで眠ろう。
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