最低だとわかっていても…
目を覚ますと見慣れない部屋。

「目覚めた?気持ち悪いとかない?」

慧さんだ。
白衣を着ているから一瞬誰か分からなかった。

「大丈夫…です」

「風邪と栄養失調。3、4日入院だから」

「ダメ!入院は!学校があるから…」

「じゃあ俺ん家に入院して学校通うのと、病院に入院して学校通えないのどっちがいい?」

「学校通える方がいい…です…」

「分かった。俺今日もう上がりだから荷物とかあるだろうし、一回美桜ちゃんち帰ろっか」

「はい…」


退院の手続きをして、慧さんが出入り口に車を回してくれる。
彼はいつもスマートにエスコートしてくれる。
きっと女の子慣れしてるんだろうな。
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