最低だとわかっていても…
車は見慣れた街に到着した。

「荷物取ってきな。待ってるから」

「はい…」

返事をして、部屋に帰る。
携帯をみたら真吾くんから着信があった。
とりあえず

「用事があって4日ほど実家に帰ります。連絡できなくてごめんね」

と送って4日分ほどの荷物を持って車に戻る。

「お待たせしてごめんなさい」

「全然。じゃあ行こうか」

また車は知らない街へ走り出す。
着いた先はすごい高さの高級そうなマンション。

「着いたよ」

「えっここですか?」

「そうだけど」

車は駐車場に入って行き、止まる。

「荷物貸して」

「大丈夫です。持てますから」

「病人が何言ってんの?いいから貸しな」

「はい…お願いします」

荷物を持ってもらい、エレベーターで部屋に上がる。
どうやら30階建らしい。
慧さんは29階のボタンを押した。
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