最低だとわかっていても…
「無理です。そんなみすみす渡す訳にはいきません」

「今美桜ちゃんを渡してくれたら、卒業まで絶対手は出さないと約束しよう」

「…本当ですか?」

「ああ。男に二言はない」

「分かりました。案内します」

真吾は悩んだ挙句取り敢えず美桜を渡すことにした。
だが諦めたわけではない。
今は美桜を渡すのが賢明だと思ったから。
それが間違いだったなんてな。


家に着き、寝てる美桜を慧に渡す。
2人を見送り、考える。
どうすれば結婚を破談に出来るかを。
だが答えは出ない。
真吾は頭を抱えた。
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