最低だとわかっていても…
体が揺れている感覚で目が醒める。
何で私ここにいるの?
真吾くんの部屋に居たはずなのに。
何でこの人はどこまでも私を捕まえにくるの…?

「起きた?」

「…」

「真吾くんと話したよ。真吾くんが美桜ちゃんを俺のところに渡したんだよ」

嘘よ!真吾くん…
やっぱり私のこと嫌いになった?
ごめんなさい。最低な私で。


車は見慣れたタワーマンションに着く。

「入院って言ったよね?」

「はい…」

「逃げようと思っても無駄だから」

今日で思い知った。本当に無駄なんだと。
もう真吾くんには会えないと…
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