最低だとわかっていても…

side 真吾

あの男に美桜を渡してから、俺は後悔している。
美桜から別れの連絡が来た。
俺たちはそんなもんだったのか?

美桜の結婚式までの3週間は荒れに荒れた。
普段は呑まない酒を呑みまくり、仕事は手につかず先輩に怒られ、自分でも何してるんだか呆れるくらいだった。

そんな時、可奈ちゃんと優也にランチに誘われた。
たまにはいいかと行く事にした。
2人の作戦とは知らずに。

ホテルに着くと、優也にレストランの側の階段に連れていかれて待つように言われた。
不思議に思ってると可奈ちゃんに連れてこられたウェディングドレスに身を包んだ美桜が…!!

「美桜!!」

思わず叫んでしまった。
美桜も俺の名前を呼んでいる。
聞き間違いか?いや、間違っていない。

「真吾くんに会いたかった」

とまで言ってくれている。
どっちからともなく抱きしめ合う。
俺もずっと会いたかったんだ…美桜…。

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