碧い花、 4
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うつろに水面に注いでいた目線を急に空に移す佳菜。
釣られて同じ空を見る真。
ガー太郎!
え?なんだー、アヒルじゃんか。
こうやって鳥たちも家族と、カップルと、みな一緒なんだよね。仲良しは無敵艦隊!
何それ。
いやーぁ、君は僕の全世界!ってKポップのユチュがあってさ。
いいねー、ロマンチック・・・・・。
でしょ。
ちがくて、シンくんが。
テッへへ照れますねー。
なにアレ?
指さす方を見る真。
西郷隆盛留魂碑だよ。セゴドンが居なかったら今の日本は、当時の明治政府は、無かった。それなのに竹馬の友だったと思ってた親友にも見離されて死んだ無念さを放っておけなくなった勝海舟が建立したんだって。
・・・・・・・・
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政府系の日本政策投資銀行の部長さんでな、月に三・四百万は下らないだろう。
ワオすげ!そんなリッチなんですか。
給料は二百万円とか云ってたな、審査部長さんだから他に色々入って来るし・・・・・・・。
政府のですか、いいな。幕府じゃ金持ちになるわけだ。
今は株式会社化されてるけど、元々は政府直属の金融機関だ。それにそこの親は実親じゃ・・・・・・・・。
お父さん!
店!店―!
後を追うあっちゃん、歩調が二人三脚のようにスタスタ同じ、店裏扉に二人とも消えてしまった。
・・・・・・・・
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広くない通路両側に競い合うように並ぶ建物それぞれの古参顔やら若い顔やらが親しげに交じり合う渋い商店街を抜け。
右に目をターンすると、グワーンと開ける地と天が重なる一対の風景、急こう配の下り坂、急斜面な登り坂が浮き現れて。
登りきったこの所までわずか6分、静かな住宅街、いさぎよく、天にそびえる十字架の塔。
この丘から見下ろす下界に大きな池がどっかり水面(みのも)を広げる、名は小池です、オシャレな住宅、風雪の中生きて来た家屋、面々が取り囲む。
若者、大人たち、それぞれが彩りを添え、みな碧い花を、・・・・・・・・
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