和泉くんの考えてることはわからない。
そう。
何を隠そうこの花宮栞里。実はすこぶる頭が悪いのだ。
はっきり言ってこの学校には入れたのも中学の先生に「奇跡」とまで言われたほどのミラクルな出来事。
運動しか能がない私は去年も赤点を取りまくり、夏休み、冬休み、春休みをそれぞれ1週間ずつ補習のために捧げてきた。
でももう、そんなことにはなりたくない。
「早苗、助けて!」
「え〜…」
それなのに、私の親友は私を助けるのがめんどくさいらしい。
あからさまに嫌な顔をされてしまった。