和泉くんの考えてることはわからない。


「え、何?」


何か嫌な予感がする、と早苗に捕まった大原くんは顔を歪める。


それに引き換え彼女の方はニヤリと何か企んだように笑うから、私も大原くんと一緒に顔を歪めた。




「テストが終わったら、ダブルデートしようよっ」

「…へっ?」

「ダブルデート?」



しかしながらそれは、そこまで恐ろしい考えではなかったらしく。



「テスト終わったらすぐ夏休みでしょ?だから、4人でダブルデートするの」


ふふん、と得意げにそう言った早苗は、次に「和泉ー!」と大声で和泉くんの名前を呼んだ。



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