和泉くんの考えてることはわからない。
その溜息の意味がわからなくて、目をパチクリとさせる。
「流石和泉。察しがいいね」
「……却下」
「ふふっ、まだ何も言ってないけど?」
何の話をしてるのかが分からないけど、和泉くんは何だかめんどくさそう。
「和泉、栞里に勉強教えてあげて?それで栞里が赤点ゼロだったあかつきには夏休みにうちらとダブルデートしよーよ」
「…え、えぇッ!?」
その提案に驚いたのは和泉くんではなくて、私の方で。
いいいい和泉くんに、勉強を…!?
テンパる私とは引き換えに、そこにいた和泉くんは物凄くめんどくさそうに顔を歪めた。