和泉くんの考えてることはわからない。
「それ、俺には何一つメリットないよね?」
さも冷静に、和泉くんは早苗にそう返す。
和泉くん、それ私がいる目の前で言ったらダメだよ。
本人ここにいるんだよ?和泉くん。
そうは言ったところで、きっと和泉くんには通用しないんだろう。
「まぁいいじゃない。栞里のやる気を上げるためよ」
「へ、私?」
「そう。和泉に勉強も教えてもらえて、しかも赤点ゼロだったらデート出来るんだよ?やる気出るでしょ?」
「…はっ!!そっか!」
ウインクしてくる早苗に、ハッとさせられた。
ナイスだ、早苗さん。素晴らしい発想だよ、それ!