和泉くんの考えてることはわからない。
「出来るじゃん、花宮さん」
和泉くんが褒めてくれて、私は心の中で大きなガッツポーズ。
解くのには時間がかかったけど、和泉くんの教え方は本当に上手だった。
先生より断然和泉くんの方が分かりやすい。
「お疲れ、花宮ちゃん」
斜め迎えに座っていた大原くんまでもが、笑顔でそう言ってくれた。
「さて、今日は解散しようか」
そう言って立ち上がった大原くんは、隣で伏せている早苗の頭をポンと叩く。
中盤あたりから、早苗は親友の私がこんなにも頑張っている中で「疲れた」と言って眠ってしまっていた。