和泉くんの考えてることはわからない。



けどどうやらそれも違うらしく、和泉くんは呆れ顔で今日何度目かわからない溜息を吐いた。




「前にも同じことあったんだけど」

「…前?」

「本当学習能力皆無だね、花宮さん」



こっちは理解できていないというのに、和泉くんは次々と私のことをバカにする。



いつまで経っても私に教えてくれないから、私も私でムーッと頬を膨らませた。




「…その顔禁止」

「…っ、いひゃい…!」



けどそれすら和泉くんは気に入らなかったらしく、右手で私の両頬をムギュッと掴む。



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