和泉くんの考えてることはわからない。



「自分が女って自覚、ある?」

「…ふぇ?」


そして次に和泉くんから発せられた言葉は、そんな質問だった。




思わずとんでもなく間抜けな声を出してしまったけれど、私は一度だって自分を男だと思ったことはない。


だから、それを伝えるべく思い切り頷いて見せた。



…だって、口に出したくても和泉くんが私の頬を潰して離してくれないし。




それなのに和泉くんは、頷く私を見て何故か溜息を吐く。




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