和泉くんの考えてることはわからない。
ハンバーガーを持つ手が、僅かに震え始める。
それを誤魔化すかのように大きな口でハンバーガーを頬張ると、黙々とそれを食べた。
「………。花宮さん、」
「ん?」
正面の席に座っていた和泉くんが、テーブルに肩肘をつきながら私を呼んだ。
その目が見透かされてしまいそうなほどに真っ直ぐと私を見つめてくるから、反射的にヘラっと笑う。
「はんへふは? (何ですか?) 」
「…いや、何でもない。ていうか早くそれ飲み込んで」
少しだけボケてみると和泉くんはいつもの呆れ顔を浮かべながらも私に水を差し出してくれる。
優しいなぁ、なんて思いながら、また和泉くんへの "好き" を積もらせた。