和泉くんの考えてることはわからない。
でも、そんなドキドキした気持ちもすぐに恐怖からのドキドキに掻き消される。
「うお、結構激しいね、ここのゴーカート」
「っ………」
いざゴーカートのアトラクションを目の前にすると、もう声も出なかった。
広いエリアで、ぶつけ合いながら走る小さな車たち。
その運転者は殆どが子供なくらいに誰にでもできる楽しいレースなのに、明らかに私だけが場違いすぎる。
─────キキーッ、
『ぱぱ…!!まま…!!』
あの時の記憶が、戻ってきてしまう。