和泉くんの考えてることはわからない。



「……栞里?どうかした?」

「…ッ」


急に喋らなくなった私を不思議に思ってか、早苗が私に声をかけてきた。



咄嗟に声を出せるわけもなくて、とにかく笑って何とか誤魔化す。





けど次の瞬間、グイッと手首が誰かに掴まれて。



「真、濱口さん。悪いけど、ちょっと花宮さん借りてくね」

「「え?」」




私は、考える暇もないまま和泉くんに腕を引っぱられてしまった。



< 130 / 326 >

この作品をシェア

pagetop