和泉くんの考えてることはわからない。




「────…アオちゃん…?」


可愛らしい、透き通るような声が、私の耳に届いてきた。




赤い屋根の家から出てきたお人形のような女の子が、こちらを見て目を丸くしている。




「マコちゃんも…!」



それから嬉しそうに笑った彼女は、何故だかこっちへと走り寄ってきた。




誰……?


和泉くんと大原くんの、知り合い?




くりっとした目と、ミルクティー色のふんわり髪。


おまけに花柄のワンピースから白くて細い手足が見えるその彼女は、本当に本当に可愛らしい子で。



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