和泉くんの考えてることはわからない。
お爺ちゃんにもお婆ちゃんにも慎くん家族にも、私はすごくお世話になっている。
「慎くん、今日は泊まってく?」
「うん、駅も家よりこっちの方が近いし」
「了解。お婆ちゃんに言っとくね」
慎くんが泊まるかを確認して、キッチンにいるお婆ちゃんに伝えに行く。
お婆ちゃんもそのつもりだったらしく、既にいつもより多めに肉じゃがを作っていた。
「あ、シオちゃん。お風呂洗っといてくれるかい?」
「はーい」
ここは今の私の家でもあるけど、慎くんにとってはお爺ちゃんお婆ちゃんの家でもあるから。
だから、慎くんがうちに泊まることなんて小さい頃からよくあることなわけで。