和泉くんの考えてることはわからない。
「しーおりちゃん!」
「…わっ!もう、慎くんってば!」
慎くんがずっとベッタリなのだって、もう日常茶飯事のことだった。
「ふふっ、栞里ちゃんいい匂いする〜」
「もう!ちーかーいー!」
冬ならまだしも、夏の、しかもお風呂上がりにこうも抱きしめられると暑くてしかない。
グイーっと引き離しはするものの、甘えん坊過ぎる慎くんはずっと私から離れてはくれなかった。
***
「栞里ちゃーん!まだー?」
「待ってー!もう行く!」
次の日。
久しぶりにパパとママに会うからとオシャレをしていたら、もうとっくに出発時間。