和泉くんの考えてることはわからない。
「ごめん!お待たせ!」
「もう、何分待ってると思っ─────…っ、」
慎くんを玄関に待たせてしまっているからと慌てて降りれば、何故か慎くんは私を見て目を丸くした。
「…珍しいね、栞里ちゃんが私服でスカートなんて」
「え、やっぱり変かな…?」
驚かせてしまった理由は、私がスカート…というか、ワンピースを着ていたかららしい。
大体いつもパンツ系だから、スカートだなんて制服でしか履かないもんね。
少しだけあの幼馴染のことを思い出してしまったけど、今は忘れようと首を振る。
「パパとママに会えるから頑張ってみようと思って…」
「あー。そういうことか」
「?」
「ううん、何でもないよ。すっごく似合ってる!」