和泉くんの考えてることはわからない。



「栞里」

「…っ!!」



3人だけになった瞬間、和泉くんが私を呼んだ。




「な、んで」

「こっちおいで、栞里」


さっきまでと打って変わった柔らかい声が、私を呼んでいる。




「……なんなの、あんた」


未だ私をかばうように立ちはだかる慎くんが、何か言った気がした。




「栞里」

「………」



………ずるい。



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