和泉くんの考えてることはわからない。


幼馴染でありながらも一度も聞いたことのないであろう低音に、ユキは肩をビクつかせる。


ユキに怒るだなんてこれまで一度もしたことがなかったから、かなり怖がらせてしまった。



「あー…、なるほど」


それを見た真は、何か察したんだろう。


「ごめんね、ユキちゃん。蒼、俺が借りるわ」


そう言って俺の腕をキツいほどに掴むと、「許してやってな」と代わりにユキに謝ってまでしてくれた。



けど、自宅に引き込まれた瞬間に、真のその穏やかな顔は一変する。


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