和泉くんの考えてることはわからない。



「何があったかは詳しく聞かねぇけどさ。そろそろ自覚しないとお前、ユキちゃんの時みたいに後悔するぞ?」

「は?」



真の言葉の意味が、全くと言っていいほど分からなかった。


なんで、この苛立ちとユキのことが関係あるんだよ。



「ユキちゃんがいなくなった時のこと、忘れたとは言わせない」

「……それとこれとは、」

「同じだぞ。認めたくないだけで、自分でも分かってるんじゃないのか?…なんで自分が今、そんなにイライラしてんのか」

「……」



そこまで言って、真は持ってたコンビニの袋から漫画を取り出すと、当たり前のように人のベッドの上で横になってそれを読み始めた。


< 177 / 326 >

この作品をシェア

pagetop