和泉くんの考えてることはわからない。
「これ以上あの従兄弟とは接触しないこと。いい?」
彼女の顎をクイっと持ち上げて無理矢理視線を合わせると、そう言った。
じゃないと俺がどうにかなってしまいそう、だなんてのは口が裂けても言えるわけがない。
「む、無理です…」
「は?」
彼女の一言に、思わず顔をしかめた。
また機嫌が悪くなっていくのが分かる。
心が狭いとは自分でも思うけど、どうすることもできないんだからそんなの仕方ない。
無理って、何?
花宮さん、アイツを選ぶわけ?