和泉くんの考えてることはわからない。
私が家を出るとき、決まって慎くんがうちの前で待っているんだ。
最初はあの……キスのこともあって気まずくて気まずくて仕方なかったけど、慎くんが泣きそうな顔で何度も謝ってくるから、何とか今は平静を装って一緒に登校している。
『なんで、こんなことするの…っ?』
『慎くんのバカ…!!』
………あの時は何も言わない慎くんを大分責めてしまったから、今はおあいこ…?ってことで。
まぁ、…ファーストキス、だったんだけど。
結局あのキスの意味は今も分らないまま。
慎くんは、至っていつも通りだ。