和泉くんの考えてることはわからない。
「ほら行くよ、花宮さん」
「あっ…、うん!」
そして運がいいのか悪いのか校門付近で和泉くんに会うと、いつもこのパターンになる。
散々慎くんVS和泉くんで火花を散らした後、和泉くんは私の腕を掴んで教室まで引っ張っていくんだ。
だからこの朝になる度に、私の感情はヒヤヒヤドキドキで忙しい。
***
「だからさぁ、それって和泉が栞里を好きってことでしょう?」
「だから、それは早苗の思い過ごしだって…!」
「じゃあなんでほぼ毎朝手繋いで教室に来るのよ?」
「あれは手を繋いでるというか、連行されているというか…」
昼休み。
早苗と一緒にお弁当を広げながら、私はもう何回聞いたか分からない言葉を投げかけられていた。