和泉くんの考えてることはわからない。
だってそんなの、申し訳なさすぎる。
でも和泉くんとせっかく一緒に居られる機会だし、なんなら私が和泉くんをお家に…。
「────…栞里」
「は、はいっ!」
名前を呼ばれて、とっさに返事をした。
って、え…?
今、なんて…。
「いい加減にしてくれる?」
「え、いや、えっと、」
「俺が送って、栞里は大人しく送られる。ほら、行くよ」
「ちょ、ちょっと…!」
私の返事の有無なんて関係なしに、和泉くんはさっさと歩き出してしまった。