和泉くんの考えてることはわからない。
昨日の今日でマスクなんてしたら、原因がバッチリとバレてしまうというのに。
「まさかとは思うけど、昨日の?」
「っ、や、その…」
「……傘、持ってるんじゃなかったわけ?」
「あ、あははは…」
あぁ、もうダメだ。
私の嘘のクオリティが低すぎて、完全にバレてしまっている。
バカじゃないの、とか、絶対言われる…!
次に来る言葉を覚悟して、目を瞑った私に降って来た言葉は。
「ごめん」