和泉くんの考えてることはわからない。
「………へ?」
一瞬、その言葉を理解するのが遅くなった。
てっきりバカにされるとばかり思っていた私は、目の前で申し訳なさそうに見つめる和泉くんに目をパチクリとさせる。
「俺のせいだよな、それ」
「い、いやいや…っ!!私が傘持ってこなかったのが悪いんだし!」
「でも、」
「………あのさ、和泉」
慌てる私と、謝る和泉くん。
そんな私達の会話に割って入って来たのは、他でもない、今隣にいる早苗しかいなくて。