和泉くんの考えてることはわからない。
「だーかーらー!!」
「っ!?」
カーテンの向こうから大きな声が聞こえて、体がびくりと跳ねた。
「あんたはさっさと帰れって言ってんの!栞里ちゃんは僕が送ってくから!」
「お前に花宮さんを任せられるわけないだろ?いい加減しつこいぞ」
「ま、まぁまぁ2人とも落ち着いて…?」
よく聞く2人の声と、それを宥める女の人の声。
それと同時に香る薬品の匂いに、ようやくここが保健室だということを理解した。
「あの…?」
「あら、目が覚めた?」
ベッドから立ち上がってそのカーテンをめくれば、私に気が付いて駆け寄ってくる保健の先生。