和泉くんの考えてることはわからない。


「栞里ちゃん!大丈夫っ?」


続けて慎くんまでもがやって来て、そのまま私の体をぎゅっと抱き締めた。




「あ……、うん、大丈……」

「離れろ」


大丈夫。


そう言い切るよりも先に、その場にいたもう1人の声が低く響く。



慎くんの腕を掴んで私から引き剥がしたのは、私が意識を手放す直前までそばにいた人で。



「花宮さんに触らないでくれる?」

「は?僕にそんなこと言う権利あんたにはなくない?」


いつかのようなバチバチモードになる2人に、見兼ねた先生が間に割って入ってそれを止めた。


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