和泉くんの考えてることはわからない。
「?……慎くん?」
「………栞里ちゃん、それ本気で言ってるの?」
「え?」
ギシ、とベッドのスプリング音と共に、慎くんの顔が一気に近付く。
「僕、栞里ちゃんの弟じゃないよ?」
「え、あ…」
至近距離で悲しげに揺れる瞳に、私はどうしたらいいか分からなかった。
そりゃ、慎くんは本当の弟じゃない。
けど、従兄弟で、血は繋がってて。
私にとっては大事な家族。……けど、慎くんは違うの?
「……知ってる?従兄弟同士って、結婚できるんだよ?」
「へ、」
「僕が何であの時栞里ちゃんにキスしたか、分かんない?」
「っ!」
その言葉で思い浮かぶのは、あの、パパとママのお墓参りの帰りの………出来事。