和泉くんの考えてることはわからない。
「…っちょ、栞里ちゃん!?」
突然慌て出す慎くんを前に、私はボロボロと涙を零しながらガンガンする頭を抱えた。
だめだ。体がふわふわする。
寒いし、視界も悪い。おまけに耳鳴りまでする。
「っごめ、しんくん…。話、耳に入んな…っ」
「うん、分かった、分かったから。ごめんね、栞里ちゃん。もう寝て?」
「ん…」
申し訳なさそうに謝る慎くんに「大丈夫だよ」と言えたかどうかは分からない。
ただ辛くて辛くて、私は蹲るように布団を頭から被って目を瞑った。