和泉くんの考えてることはわからない。
小学生の頃こそ早く起きるのが苦痛で仕方なかったけれど、高校生にもなれば体が覚えちゃって朝寝坊というものができなくなった。
「あ、だし巻き卵がある!」
「ふふっ、お弁当にも入れるからね」
「やったー!」
ヘヘッと笑って食卓へと腰を下ろす。
目の前の席にはお爺ちゃんが座っていて、私が揃うのを待ってくれていた。
「そういえばシオちゃん、慎くんには会ったかい?」
「へ?」
朝ご飯を食べ終わって、玄関で靴を履いてる時。
私の後ろでお見送りの準備をしててくれたお婆ちゃんが、不意に口を開いた。