和泉くんの考えてることはわからない。
慎くんとは、花宮慎斗(しんと)という私の一つ下の従兄弟。
たまに家族ぐるみでうちへ来るけど、最後に会ったのは確かお正月…なはず。
お婆ちゃんの言ってる意図が全くわからずポカンとする私を見て察したのか、お婆ちゃんはふふっと笑う。
「まぁ、近々会えるかねぇ」
「?」
またうちへ来る、ということなんだろうか。
最後まで確信めいたことを言ってくれないお婆ちゃんを不思議に思いながら、私ははてなマークでいっぱいの頭を抱えて家を出た。
「あ、和泉くんっ!」
「…うわ、花宮さん」
学校の前に差し掛かった時、見つけた大好きな後ろ姿。