和泉くんの考えてることはわからない。
「あの時の和泉くんカッコよかったよね〜。花宮ちゃんを大事そうにお姫様抱っこして、王子様みたいだったなぁ」
「……え?」
クラスメイトの女子たちがうっとりするように話すその内容に、私は首を傾げる。
和泉くんが、お姫様抱っこ…?
「えっ!もしかして花宮ちゃん覚えてないの!?」
「あーでも熱でぐったりしてたもんね」
「あのね。倒れた花宮ちゃんを、和泉くんのがお姫様抱っこで保健室まで運んでくれたんだよ」
「えっ!!」
初めて知る事実に、目を見開く。
そういえばあの時、ふわっと浮いていたような…。
「あー、花宮ちゃん顔真っ赤!可愛い〜」
思い出して火照った頬を見られて、可愛い可愛いとケラケラ笑われてしまう。