和泉くんの考えてることはわからない。



「俺のこと大好きだもんね、花宮さん」


そう言って意地悪に笑うと、ポンと私の頭を撫でてから自分の席へと向かう。


一方思いっきり顔が赤くなった私は、クラスメイトの子達に「やっぱり付き合ってるんだ!」と問い詰め白状させられた。




「和泉くんのバカ」

「は?勝手に赤面してる花宮さんが悪いんでしょ」


席に戻って後ろを振り向けば、表情には出さないが楽しそうな和泉くん。



クラスメイトにさっきの一瞬で付き合ってることが知れ渡ってしまったというのに、一切気にしていない素ぶりだった。



「なんでそんなに冷静なの?」

「逆になんでそんなにテンパってるのかが分からないんだけど」


和泉くんの態度は全くもっていつも通り。



あれ。もしかして私達が付き合ってるって、嘘……?


そう錯覚してしまいそうなほど、和泉くんは変わらない。


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