和泉くんの考えてることはわからない。



「言いたいことはそれだけ?なら俺らにもう用はないよな」



パシッと私の腕を掴んだ和泉くんは、慎くんにそう言い放って歩き出した。


必然的に私も歩き出すことになって、どんどんと校舎から離れていく。




「…ちょ、和泉くん!」


道の途中で声をかけると、あっさりとその手を離してくれた。



………何故かため息付きで。



「花宮さん、顔に出すぎだから」

「へ」


呆れ顔で私を見下ろす和泉くんは、私の思っていたことなど全て分かっているかのよう。



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