和泉くんの考えてることはわからない。
「な…っ、ななな…」
唇が離れた瞬間、突然のことで頭は大混乱。そしてしてきっと、顔は真っ赤だ。
挙句に訳のわからない言語まで発してしまい、余計に和泉くんに笑われてしまっている。
「動揺しすぎ。前もしたでしょ」
「そ、それはマスク越しだったから…っ!」
「違う。その話じゃない」
ピシャッと切り捨てられ、頭には疑問が募る。
違うって言われても、そんなの知らない。
和泉くん、何を言ってるの?
「栞里のファーストキスは、俺がもらってるよ」
「………。へっ!?」
その言葉を理解するのに、しばらく時間がかかった。