和泉くんの考えてることはわからない。
でも、仕方ない。
大好きな人だもん。嬉しいんだもん。
「それに、明日デートなんでしょ?」
「うんっ」
早苗の言葉に力強く頷く。
明日の土曜日は、蒼くんとの初めての休日デートだ。
修学旅行前にお出かけしたいとなんとなく呟いた私の願いを、蒼くんが叶えてくれるみたい。
今からそれが楽しみで、私は明日が待ち遠しくて仕方なかった。
「早苗ー」
「あ、帰ってきた」
大原くんの声がして、私たちは教室のドアの方に視線を向ける。
そこには当然蒼くんもいて、「お待たせ」と私の頭を撫でた。