和泉くんの考えてることはわからない。



「もしもし?どうしたの?あっ、今ね、お土産を……」

『シオ、落ち着いて聞いてくれ』

「え?」


やけに真剣なお爺ちゃんの声に、話していた自分の言葉を止める。




『……お婆ちゃんが、事故にあった』

「っ!?」



頭が真っ白になるというのは、こういうことを言うんだろう。




ついさっきまでの、楽しい気持ちは一変。




────キキーッ

『ぱぱ…!!まま…!!』



……やだ。やだ。


あの時の記憶が、嫌でも脳裏をよぎる。




「栞里?」

「…やっ!やだ!」

「ちょ、栞里?落ち着けって!」

「いや…っ!!」



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