和泉くんの考えてることはわからない。



パパとママは、私を庇うようにして亡くなった。


かなりの勢いでトラックに衝突したのに、小学生でまだ小さかった私が無傷で済んだのは、パパとママが咄嗟に私を庇ってくれたから。



「前に早苗と大原くんと行った遊園地で、私具合悪くなったでしょ?あれ、ただゴーカートが怖かったの」


遊園地のアトラクションだっていうのに、ぶつかり合う車が怖くて怖くて仕方なかった。




「だから、お婆ちゃんが事故って聞いて……」

「…うん、怖かったよな。でも大丈夫だから。お爺さんの話だと、本当にピンピンしてるって」

「良かった…」



蒼くんの言葉が、不安な私の心を落ち着かせてくれる。



「話してくれてありがとう、栞里」


蒼くんがそばにいてくれて本当によかった。



< 296 / 326 >

この作品をシェア

pagetop