和泉くんの考えてることはわからない。
パパとママは、私を庇うようにして亡くなった。
かなりの勢いでトラックに衝突したのに、小学生でまだ小さかった私が無傷で済んだのは、パパとママが咄嗟に私を庇ってくれたから。
「前に早苗と大原くんと行った遊園地で、私具合悪くなったでしょ?あれ、ただゴーカートが怖かったの」
遊園地のアトラクションだっていうのに、ぶつかり合う車が怖くて怖くて仕方なかった。
「だから、お婆ちゃんが事故って聞いて……」
「…うん、怖かったよな。でも大丈夫だから。お爺さんの話だと、本当にピンピンしてるって」
「良かった…」
蒼くんの言葉が、不安な私の心を落ち着かせてくれる。
「話してくれてありがとう、栞里」
蒼くんがそばにいてくれて本当によかった。