和泉くんの考えてることはわからない。
「こんなところで何してるの?もしかしてどこか具合でも?」
「あっ、いや、そういうわけじゃないんだけど…」
彼女と話すのは、どうも緊張する。
私の知らない蒼くんを知っている。
蒼くんの……好きだった人。
今は蒼くんと付き合えているけれど、やっぱり不安になる。
蒼くんは久野さんがまだ好きなんじゃないか、とか。家が隣でいつでも2人は会えることとか。
……それに、蒼くん、よく久野さんと2人で出かけていたし。
「そっか、良かった。彼女さんまで病気なのかと思って怖くなっちゃった」
「え?」
けれど、久野さんのその一言に首を傾げる。