和泉くんの考えてることはわからない。
「栞里は、ずっと俺を追いかけてればいい」
そして目があったその瞬間、和泉くんは、またあの日のような意地悪な笑みを私に向けてそう言ったんだ。
おかげで、私の頭は大混乱。
色んなドキドキが重なって、完全に放心状態だった。
気付いたら、和泉くんはとっくに教室を出て行っていて。
なんで嘘をついてまでこんな所へ連れてきたのか、とか。
和泉くんのその触れ方とか、言葉とか。
訳がわからないくせにドキドキしてしまって。
ようやく熱が冷めたのは、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った頃だった。